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グランド・ブダペスト・ホテル

グランド・ブダペスト・ホテル(2014年 ドイツ・イギリス)

- WOWOWの録画鑑賞 -

 

監督:ウェス・アンダーソン

脚本:ウェス・アンダーソン

原案:ウェス・アンダーソン

ヒューゴ・ギネス

製作:ウェス・アンダーソン

スコット・ルーディン

ジェレミー・ドーソン

スティーヴン・レイルズ

出演者:レイフ・ファインズ

F・マーリー・エイブラハム

マチュー・アマルリック

エイドリアン・ブロディ

ウィレム・デフォー

レア・セドゥ

ティルダ・スウィントン

音楽:アレクサンドル・デスプラ

撮影:ロバート・D・イェーマン

編集:バーニー・ピリング

 

色々な細工が施された、クスッと笑わせられる作品でした。

 

映画『グランド・ブダペスト・ホテル』予告編

 

主人公は名うてのコンシェルジュであるグスタヴ。彼がどう名うてかというともちろん通常のコンシェルジュとしての能力も素晴らしいのですが、お年を召したご婦人方に夜のお菓子的なサービスを提供することで評判を得ているのです。

その特別なサービスで懇意となった富豪の未亡人の遺産を巡るドタバタがメインのストーリーとなります。

 

物語は3つの時間軸で構成されており、それぞれの画面の縦横比が変えてあります。過去から現代に近くなる程、画面がワイドになっていき時代の遷移がわかりやすく表現されています。

 

そしてアカデミー賞で美術や衣装の賞を軒並み受賞していることからも分かる通り、もう一人の主人公であるグランド・ブダペスト・ホテルのセットはピンク主体でとても可愛らしくデザインされています。小道具(?)として出てくるお菓子やその包装なども細かくデザインされており監督の作品に対するイメージが微細なところまで反映されていることがわかります。

 

また、富豪の未亡人の屋敷にはエゴン・シーレやグスタフ・クリムトの作風を剽窃した絵画が飾ってありオーストリア・ハンガリー二重帝国最後期の美術が反映されています。

 

こういう細かなところを掘り下げても面白いのですが、とぼけた味のドタバタが終始繰り広げられて退屈するところがありません。

 

主なキャスト以外に有名な俳優がしれっと出演していたりします。ご覧になる際はそういう視点で見ても面白いかと思います。

(どんな俳優が出ているかはエンドロールで確認してみてください)

 

日本でミニシアターブームが華やかなりし頃は、こういったヨーロッパらしい洒落ていてクスッと笑える映画がたくさん上映されていましたが、シネコンばかりになってしまってからはあんまり見なくなっちゃいましたね。