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記事紹介:民営化は万能の処方箋か

JRとNTTの例

今では当たり前になってしまって違和感などなくなってしまったが、僕が小さな頃はNTTは電電公社、JRは国鉄だった。

もともとは電話も鉄道も国(国民)のものだった。経営の効率化や民間企業の参入を促すため、どちらも民営化された。

巨額の負債を切り離して分割民営化したJRは東日本、東海、西日本の大都市圏や東海道新幹線を保持しているため黒字であるが、北海道などは慢性的な赤字である。

そのJR北海道で何が起きているかというとインフラの杜撰な保守管理による事故である。新札幌駅の構内で信号が倒れた事故は皆さんも覚えているだろう。

NTTは民営化以後、株式の上場もして破格の株価がつくなど優良企業として今も通信業界では巨大な存在である。固定電話回線では未だに寡占状態だし(ウマミは少なくなっているらしいが)、移動体通信(携帯電話)でもトップシェアである。

NTTの企業努力は当然あるものの、一から通信基盤を作らねばならない民間企業としては不公平な競争状況であると思っても不思議はない。

次は水道

なぜ民営化の話をしているかというと次の記事を読んだからである。

世界の流れに逆行する日本―なぜいま水道民営化か

こんなところにも影響を与えている少子高齢化の問題の深刻さをあらためて感じる。

民営化しようとしまいと少子高齢化で利用者や水道事業に携わる人の数が減るという前提は変わらないのに、「民営化=経営の効率化(赤字の解消)」という図式は必ずしも成り立たない。

それでも民営化をこっそり進めるのは誰かが得をすることでもあるのだろうか。

地味なニュースは報道されない

ネット上の極端な考え方をする人たちが新聞社やテレビ局などのマスメディアを「マスゴミ」と呼ぶが、こういった地味だが生活に直結するような題材を粘り強く報道しないと本当に「マスゴミ」になってしまうだろう。