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そつなくもれのない職人技:ジャージー・ボーイズ

ジャージー・ボーイズ(2014年 アメリカ)

(wowowで録画鑑賞)

 

スタッフ

監督:クリント・イーストウッド

脚本:ジョン・ローガン

キャスト

フランキー・バリ:ジョン・ロイド・ヤング

ボブ・ゴーディオ:エリック・バーゲン

ニック・マッシ:マイケル・ロメンダ

トミー・デヴィート:ヴィンセント・ピアッツァ

 

あらすじ

1960年代に世界的な人気を誇った伝説の米ポップスグループ「ザ・フォー・シーズンズ」と、そのリードボーカルを務めたフランキー・バリの代表曲として知られる「君の瞳に恋してる」の誕生秘話を描いたドラマ。

 

映画『ジャージー・ボーイズ』予告編(ロングバージョン)【HD】 2014年9月27日公開

 

作品について話す前にクリント・イーストウッドという監督について、まずはお話ししたいと思います。

 

監督には2つのタイプがあると僕は考えています。芸術家タイプと職人タイプです。イーストウッドは間違いなく職人タイプと言えると思います。

脳天を直撃するような驚くべき演出を行ったりはしないけれど、作品全体においてそつなく抜けなくもれのないまさに職人が作る工芸品のような映画を作り上げる能力に長けている、それが職人タイプなのです。

そのため凡作が少なくほとんどの作品が佳作と呼べるものになっているのです。

 

あの年齢で(86歳、わーお!)年に1〜2本の作品を作るとということは、かなり早撮りであることに間違いはないでしょう。きっと脚本に従って素直に絵を撮り編集に回すのだと思います。

そこには悪い意味での拘りは存在しないのではないでしょうか。僕はイーストウッドをそんな監督だと思っています。

 

さて、本作品についてですがもともとはブロードウェイで上演されていたミュージカルの舞台作品なのですが、彼はそつなく1本の音楽伝記映画にまとめあげています。

一つ一つの楽曲がある程度の年齢の人だったら必ず聞いたことがある。そんな曲が多く散りばめられておりそれぞれのシーンにぴったりと当てはめられています。

バンドの名前が「フォーシーズンズ」であるため主人公たちの心情や境遇を春から始まり冬に至るまでという構成でストーリーは展開していきます。

 

クライマックスにもまさに誰もが知っているある曲が流れますが、その歌の意味は僕が今まで考えていたような単純なラブソングではなく、どん底に落ちた男が失くしたものに対しての賛歌になっており、再び立ち上げるためのきっかけになっていたのにはちょっと泣けました。

 

エンドロールのいかにもミュージカルというシーンが、色々あったけどよかったよねという気分にしてくれます(ちょろいですか?)

久しぶりにサントラが欲しくなりました。

 

縁起でもない話ですがイーストウッドがあとどれだけ作品を撮ってくれるか、神のみぞ知るところですがこれからも楽しみにしたいと思います。