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波長の合わない映画:ブレイブ

ブレイブ(1997年 アメリカ)

 

スタッフ

監督 ジョニー・デップ

脚本 ジョニー・デップ

ポール・マクカドン

D・P・デップ

音楽 イギー・ポップ

製作総指揮 ジェレミー・トーマス

 

キャスト

ジョニーデップ

エルピディア・カリーロ

マーロン・ブランド

 

あらすじ

アメリカの片田舎で家族と貧しい生活を送るインディアンのラファエル。社会から冷遇され、仕事に就くこともままならない彼は過去に強盗などの犯罪に手を染め服役していたこともあった。仕事を求めて、あるビルに訪れた彼は謎の男性マッカーシーに会う。ラファエルはマッカーシーに、スナッフ・ムービーへ出演し、拷問され殺されることと引き換えに、5万ドルを払うという取引を持ちかけられる。貧困に苦しむ家族のために命を捨てる決意をしたラファエルはそれを受け入れ、3分の1の金を受け取って帰る。期限は1週間。

残された時間を2人の子供フランキーとマルタ、そして妻のリタと共に生きようとする…。

(ウィキペディアより引用)

 

予告編

ブレイブ(字幕版)

 

 ストーリーはあまり気にしないでしゃれた映像や音楽で作られた映画を僕は「雰囲気映画」と呼んでいるのだが、本作はまさにそんな感じの作品である。

 

 いや、もちろんちゃんとしたストーリはあるのだが個々のエピソードや描写において納得のいかないことが多すぎるのだ。

 

 インディアンの厳しい境遇をテーマに選んでいる割には、作品には主人公家族以外にはインディアンは登場しない。この家族だけが貧しいのかインディアン全体が貧しいのか、この主人公が単に馬鹿なのか(馬鹿なんだけど)、この脚本だけでは浮かび上がってこない。主人公家族以外にもインディアンの家庭を描写していたら違った印象を受けていたかもしれない。

 

 マーロン・ブランドの手下みたいな男が何度か主人公を訪ねてきては意味不明な話をして主人公を不安にさせる。逃げ出さないために見張っているはずなのに不安にさせてどうするのだろうか。また、その意味不明な話が本当に意味不明でまったく面白くない。

 

 映画のストーリーとは関係なく意味不明な話を挿入するのは僕は決して嫌いではない。タランティーノ映画ではそれが一つの魅力にもなっている。原作の通りの会話になっているのか、脚本化の時点で追加や変更をしたのか不明だが、本作の場合、会話にセンスがないのである。僕の感覚と合わないのか全然面白くない。

 

 偉そうなことを言うようだけれど撮影技術的には面白い部分もあった。長い芝居をワンカットで撮るような挑戦的な試みをしている。しかしながらそれが映画の面白さに反映できていないで、そのシーンだけ浮いているような印象を受けてしまうのだ。

 

 ヨーロッパの人はこういう映画好きそうだ。カンヌでパルム・ドールにノミネートされたのもわからなくはないが、逆に言えばアメリカの批評家にはケチョンケチョンだったみたいで本作はアメリカで公開されていない。まあ、なんとなくわかる気がする。

 

 僕とは感覚があわなかったけれど、なんとなく惜しい作品であるのでヨーロッパ風の映画が好きな方はご覧になってもいいかもしれない。責任は持ちませんが…。