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誰が最後のジェダイだったのか:スターウォーズ/最後のジェダイ 感想

スターウォーズ/最後のジェダイ (2017年 アメリカ)

今回はまだ上映中の作品です。ネタバレを含みますので新鮮な気持ちで映画館で楽しみたい方は読まないでください。

ちなみに僕は映画を観る前に嫁さんからけっこう重大な情報の盛大なネタバレを食らいました(笑)

予告編


「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」本予告

この映画は・・・

「スター・ウォーズ」の10年ぶりの新作として大ヒットを記録した「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」に続くシリーズ作品で、伝説のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーを探し当てた主人公レイがたどる、新たな物語が描かれる。

前作で「スター・ウォーズ」の新たな主人公レイに大抜てきされ一躍注目を集めたデイジー・リドリーのほか、ストームトルーパーの脱走兵フィンを演じるジョン・ボヤーガ、ダースベイダーを受け継ぐカイロ・レン役のアダム・ドライバー、そしてルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミル、2016年12月に急逝したレイア・オーガナ役のキャリー・フィッシャーらおなじみのキャストが出演。

監督・脚本は「BRICK ブリック」「LOOPER ルーパー」などで頭角を現したライアン・ジョンソンが担当した。(映画.COMより)


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シリーズ最新作はいつも難しい

シリーズモノは見る側は期待が高まり作品への評価のハードルが上がるのに対し製作する側にとってはファンの期待に応えることがどんどん難しくなっていくものです。 前作のエピソード(EP)7は正直言って褒められる内容ではありませんでした。

生まれて初めてスターウォーズを見たというならともかく、僕たちは旧3部作とプリクエル(EP1~3)を観てしまっているのですから。(プリクエルはどうかと思わなくもないけど)

しかし、先日ご紹介したローグワン/スターウォーズストーリーのようにこれまで散々扱われて少し食傷気味だったスターウォーズの世界で新鮮な驚きと楽しみを与えてくれる作品もできるのですから、やっぱり期待せずにはいられないのです。

登場人物たちの描かれ方への疑問

EP7で初登場したメインキャストの3人のレイ、フィン、カイロ・レンはまだまだ若さが目立つ役者だしキャラクターでした。

そのため、映画の壮大さやVFX技術ばかり目立ってしまい、若者の希望や苦悩についてはあまり語られていないように感じました。

旧3部作でEP4から5にかけて冒険活劇から親子、恋人、友人、師弟などの関係性が深く描かれることによって高く評価されたように、EP7では描ききれなかったドラマがEP8ではどう描かれるか期待していました。

しかし残念ながらそういったドラマはあまり深く描かれることはありませんでした。

レイは割りと簡単に強力なフォースを入手してしまい、力を手に入れることから生じる暗黒面への恐怖はサラッとしか描かれませんでした。

フィンはどこにいたのでしょう? 全体的に存在感が薄かったと思います。にも関わらずキャプテン・ファズマをあっさり倒してしまいます。

カイロ・レン、この人だけは他二人に比べて心情が描かれていたように思います。まあ、前回がひどかったからね。それに比べればマシというレベルです。

フォースの描かれ方の変化

フォースの扱い方が過去作から最新作に近くなればなるほど取り扱い方がちがってきました。

EP4などではほとんど謎の力として描かれており、ダースベーダーのお仕置きチョーク、オビワン・ケノビのテレパシー的なものくらいが目に見えるフォースでした。(ちなみにEP4初公開時はフォースを「理力」という見慣れない言葉で訳していました。たぶん翻訳者の造語でしょう)

しかし、EP1~3、7、8とフォースを前面にだした演出(戦闘シーンだけでなく、アナキンとパドメとのキャッキャウフフシーンでも)が惜しげもなく描かれています。

何が変わったのでしょうか。

答えは単純にVFX技術が旧3部作の時より段違いに向上し、フォースを目に見える形で演出できるようになったためです。

フォースがあからさまに描かれるようになって、神秘の力への畏敬の念が薄くなっていったように思えるのは僕だけでしょうか。

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ストーリーは収束に向かっている

けっこうキビシ目に話してきましたが、僕は本作を嫌いではありません。描く要素がたくさんあり拡散してしまいそうな脚本をなんとか今回はまとめたのではないかと思います。

たぶん再来年(2019年)にEP9が公開されるのでしょうけれども、もう少し個々のキャラクターの描き方を奥行きをもったものにしてもらって大団円を迎えて欲しいと切に願っております。

あと、今年の「ハン・ソロ/スターウォーズストーリー」がいい作品になりますように。

では、本作のよかったところ、よくなかったところです。

よかったところ
  • 拡散してしまいがちなストーリーをなんとかまとめた脚本
  • ルークが肩を片手でパッパッと払うところ(すごくカッコいい!)
  • なにはともあれVFXはすごい
  • 嫁さんの崇拝するグランドマスター・ヨーダが登場したところ
よくなかったところ
  • キャラクターの描き方が浅い
  • SF的には「えっ?」っていうシーンがある  でもスターウォーズはSFじゃないからOK

正直に言うとEP7よりは面白いけど、ローグワンには負けるというところです。

まだまだ上映は続きますのでお近くの映画館で是非どうぞ。