SF映画へのオマージュたっぷりバカ映画 ー 宇宙人ポール
宇宙人ポール(2011年 イギリス・アメリカ)
食わず嫌い
いきなり宇宙人と言われて躊躇しないで下さい。
この宇宙人はバカです。これまでのSF映画で宇宙人というと容赦無く破壊を楽しむ悪か、人間を天国に導くような天使のように善かの両極端に描かれていましたが本作では違う方向にベクトルが振れています。
その方向性については後述しますが、まずは食わず嫌いを引っ込めて本作を手にとって見て下さい。 あなたもバカになれますよ。
バカ映画(褒め言葉、以下同)
見始めてすぐにお気づきと思いますが、本作は過去のSF映画へ多くのオマージュが捧げられています。ET、未知との遭遇、エイリアン等々。
主演の二人が脚本も担当しているのですが、この二人過去に「ホット・ファズ」という警察ものの映画へのオマージュを凝縮した傑作バカ映画を作っています。
本作はその方向性を警察からSFへ移して製作されているのですが、単なる二番煎じにならず、パロディの力強さをより強力にしているバカ映画の佳作となっているのです。
イギリス人から見たアメリカ
パロディ(コメディ)映画をネタバレしないようにお話しするのは結構難しいんです。その映画の面白いところを話してしまうと笑えるポイントを事前にバラしてしまうことになりかねません。
その辺りに気をつけながら、本作の面白いところを描いてみるとやはり宇宙人ポールのキャラクター作りが絶妙であると思えるのです。
運転をミスった宇宙船が地球に墜落してから彼はアメリカ人とのみ接触を強いられてきました。そのため、純粋培養の宇宙人系アメリカ人になってしまっています。(僕視点)
ですが、本作に出演しているキャラクターは全てまともな人間ではありません。(特にアメリカ人) 唯一アメリカ人の中でまともなのはポールだけなのです。
そんなところから製作者のウラテーマ「イギリス人から見たアメリカ人って変だよね」というポイントが描かれているように思えました。
ま、コメディなんでそんな難しく考えることはないんですけどね。
退屈な日曜の午後に
今日の僕がそうだったわけですが…
暇をつぶそうとアマゾンプライムの無料映画のリストをチラチラ見ていたら、本作が目に入りました。2時間弱を何も考えずノンストレスで過ごすには極上の選択になりました。
こんな時アマゾンプライム会員になっておいてよかったなあと思いますね(宣伝w)