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期待し過ぎないこと、それが大事 - ブレードランナー2049 感想 レビュー

ブレードランナー2049(2017年 アメリカ)

予告編


映画『ブレードランナー 2049』予告3

 

あらすじ


 リドリー・スコット監督がフィリップ・K・ディックの小説をもとに生み出した1982年公開の傑作SF「ブレードランナー」から、35年の時を経て生み出された続編。前作から30年後の2049年の世界を舞台に、ブレードランナーの主人公“K”が、新たに起こった世界の危機を解決するため、30年前に行方不明となったブレードランナーのリック・デッカードを捜す物語が描かれる。前作の主人公デッカードを演じたハリソン・フォードが同役で出演し、「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴズリングがデッカードを捜す“K”を演じる。(映画.comより)

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独特の世界観


 前作を劇場で観たのが中学二年生のとき。
 空飛ぶ車、多言語・多人種が入り乱れる街、デッカードの持つブラスター、数え上げたらきりがないほどの未来イメージが溢れています。
 未来を整備されてきれいなユートピアとして描くSFは過去にたくさんありますが、本作は酸性雨の降る汚れてゴミゴミした、どちらかと言えばデストピアとして描かれています。
 当時、世界を席巻しつつあった経済大国日本の文字や言葉があらゆるところに散りばめられています。
 だからなのか、未来で高度な技術が実現された世界なのに親近感というかリアリティを感じるのです。

 

初めてカルト映画


 この映画に魅了されてブレードランナーの厨二病になった人もたくさんいます。僕の好きなミュージシャン、坂本龍一にも未来派野郎というアルバムのBroadway boogie-woogieという前作の台詞を大胆にサンプリングした曲があります。(坂本龍一が厨二病というわけではありません)
 僕もご他聞に漏れず人生最初にハマッた映画でした。当時はレンタルビデオ店が家の近所になかったので、テレビ放送されたものを録画して何度も見返したものです。
多くの人がそうであるように、僕も主人公であるはずのデッカードより悲しきレプリカントたち、特にルトガー・ハウアー演じるバッティが大好きでした。

 

続編としての難しさ


 このまま前作だけで一本記事が書けるほどの思い入れがあるのですが、今回は続編の「~2049」です。
 劇場に足を運んだ人の半分は前作を3回以上観たことがあるでしょう。前作と全然違うスタッフ、キャストならともかく前作の監督、脚本が引き続き関わりハリソン・フォードも出演します。誰しもが前作の幻想を抱いたまま劇場に足を運んだはずです。
 そんな続編にとって評価されるには不利な条件(しかし、観客動員には有利な条件)の中で本作はどこまで頑張れたでしょうか。

 

よく頑張りました


 率直に言って僕は「よく頑張りました」をあげたいと思います。


 よかったところ

  1. カルトなファンも納得のストーリー
    ちょっと複雑にし過ぎたきらいがなきにしもあらずですが、主人公「K」を軸に前作から続くストーリーのパーツをうまく配置しまわしていました。
  2. あいかわらず凝ったデザイン
    今回は小道具や車(空飛ぶスピナー)の個別のデザインよりも、プロダクションデザインの統一性が優れていたように思います。朽ち果てたラスベガスの街は秀逸です。
  3. 雨から砂漠へ、そして雪へ
    前作はずーっと雨降りだったのですが、さらに気候変動が進んだのか21世紀中ごろのロサンゼルスは雪さえ降ってました。シーンごとの天候が主人公の心象風景を現しているような気もします。

 よくなかったところ

  1. 上映時間
    前作がおよそ2時間の枠におさまっているのに、本作は2時間40分。美しい映像をじっくり見れるのはいいのだけれど、少々テンポが悪く感じたのは僕だけだろうか。

あれ、あんまり悪い点が思い浮かばない・・・

 

今回続編を観た事で、30年以上前の前作がエフェクトが現在より進化していないにもかかわらず、よくできていたな、というのが前作ファンとしての。一番の感想でした。

 

 

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