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栄光を掴め:アド・アストラ -スキピオとハンニバル- 感想

アド・アストラ -スキピオとハンニバル-

作:カガノミハチ

 

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あらすじ

紀元3世紀、第二次ポエニ戦争で共和制ローマの英雄、スキピオ・アフリカヌスとカルタゴの天才将軍ハンニバルとの戦いを描いた歴史漫画。

 

数年前、ある書店で本書が平積みされているのを見かけた。書影(表紙)自体は地味な印象でしたが、中身を読んでみると絵自体は非常に荒削りながら、初めのハンニバルの幼少期を描いたエピソードが非常に興味深く、即購入しました。

帰宅後、すぐに読み始め一気に読了。すぐに2巻をamazonでポチりました。

迫力のある戦場のシーン、ローマの風俗に関してもの私の知っているレベルでは十分に考察されており、意外なめっけ物をした気分でした。

 

僕はもともと歴史が好きで当然入試の選択も世界史でした。世界史という教科はヨーロッパ史が三分の二、後の三分の一が中国史というのがだいたいの配分になっています。そのヨーロッパの歴史的、文化的の基礎は古代ギリシャローマで培われています。

 

そんな認識があったので学生の頃からまとめてローマ史について読んでみたいなと思っていた時に出会ったのが、塩野七生の「ローマ人の物語」でした。年一回の刊行だったのでずいぶん長く楽しむことができ全巻読破しました。

長い長い物語の中でも前半はローマの青年期とも言えどんどん成長していく様が非常に面白く、特にスキピオ、ハンニバルが活躍するポエニ戦争とカエサルの活躍は一番読みどころです。

 

そういう下地があったので余計に本作にハマったのかも知れません。

 

どんなところがオススメか

作者の初めての連載とのことで1〜2巻は絵もまだ安定していませんが巻を進めるごとに絵や構成、ストーリー展開も洗練されてきています。

基本的に歴史的事実に基づいて描かれているので、世界史を学んだ上に「ローマ人の物語」まで読んでいる僕はここの戦いの結果やスキピオとハンニバルが、この先どうなっていくのかということはすでに知っているわけですが、そんな僕でも文字で読んだ戦いの風景が非常なスピード感を持って描かれていくのを緊張感を持って読むことができます。

 

登場するキャラクターの中でもハンニバルのカリスマ性や神秘的な風情、天才ならではの孤独な感じがとても魅力的に表現されています。

 

この手の歴史物をジャンプ系で連載していることも僕にはちょっと驚きでした。だって、他の連載は「ジョジョリオン」や「ピースメーカー」なのですから。

(2作品の悪口ではありませんよ)

 

毎回単行本の出版が楽しみな、歴史に興味がある方だけでなく皆さんにお勧めできる作品です。

 

最後は有名な会談シーンで終わるのだろうか…。